マインクラフト。皆さんご存じですか?
子どもたちが熱中している、例のゲームです。
今、サポーティアスタッフが必死になってワールドの構築に取り組んでいます。
私自身も、6月に操作方法から始め、現在はレッドストーン回路について大急ぎで勉強している最中です。わからないことが多すぎる…。
目次
- マインクラフトが実現する学び
- リアルな世界との学びの連携
マインクラフトが実現する学び
最初、私は「単なるゲームでしょ?」「何が面白いのよ?」「自分には無縁の世界」と思って、心の中に大きな壁を作ってしまっていました。
結論から書くと、このゲーム、教育的な効果がかなり期待できます。
断言します。このゲーム内で起こることは、現実生活に転用できるし、集団で物事に取り組む機会を確保できれば、非認知スキルの向上に大きな効果を発揮する、と。
私は12年間、担任として子どもに最も近い距離で時間をともにしてきました。教師の視点を軸にこのマインクラフトというゲームを体験して、以下の学びを特に強化できると感じました。
(1)自ら動かないと何も起きないことを知る。
主体的な学び。楽しくないなら、楽しめる何かを自分で作ろう!という姿勢が自然と引き出される。
(2)物事を論理的に考える必要性にさらされる。
畑を作るにしても、水を得やすい場所でなければならない。とか、村人を守るためにアイアンゴーレムがこのあたりに出現するから、その条件をここで発生させるとこうなってこうなって…と与えられた不変の条件をもとに、自分の仮説を積み重ねていくことで便利な装置を作ると生活が豊かになることを体感できる。
(3)因果関係を知る。
自分のアイデアをかたちにした時、うまくいかないことが出てくる。そんな時に、回路を遡って考え、うまくいかない理由を探すことになる。結果を生み出した原因を見つけ出すために試行錯誤すること自体に価値がある。
(4)複数人で協力したり、分担したりする必要が出てくる。
大規模な建築など、共通の目標をもって分担するとなれば、リーダーシップやフォロワーシップを学ぶ機会になる。仕事の分量に応じて人数の配分や期日の設定など、リアルな仕事の現場で起きていることを追体験できる。
(5)何でもできる世界で創造性が刺激される。
こんな装置を作ってみよう、とかこんな課題があるから解決するためにこんな行動を取ってみようとか、ゲーム内での快適な生活のために様々な工夫ができるよう工夫が凝らされている。何でもできる自由があるからこそ、子どもたちが自ら動き出す。
(6)アイデアをカタチにするために全体を俯瞰する設計図的な思考が必要とされる。
アイデアの実現をゴールとすると、そこから逆算して考えて段階を踏んでいくことの必要が出てくる。指示を出すためには、やるべきことを細分化して、個々人の負担感を考えて、納期を考えて…と完成に向けた逆算思考が身に付けられる。
(7)建築や回路など、人の動きを想像して配慮することを学べる。
家に入る時に、ちょっとゲートの前で止まってボタンを押さないとゲートが開かないのがちょっと嫌だな、と思ったときに、目の前に立つという条件をクリアすれば自動でゲートが開く仕組みを考えたり、農作業での収穫が大変だから自動で育てて回収までできる装置を考えたり、人の生活を便利に快適にするための配慮を学べる。
(8)適材適所を学べる。
シンプルな作業で力を発揮する人、自由な発想力で動き回りたい人、リーダーシップをもとに人と関わる力を発揮する人など、それぞれにある個性を理解し、仕事を分担していく。自己理解にもつながっていく。
(9)自ら調べて実践、検証、改善という学びのサイクルができる。
わからないことが多い分、初めてのことに向き合うことが必然的に多くなる。そんな中で、「やったことがないからできない」と諦めてしまうのではなく、粘って調べてやってみて、改善していけばできるようになっていくという前向きな学びの姿勢を身に付けることができる。
(10)自分の学びを他者に伝える機会が生まれる。
経験を積み重ねていった時に、初心者とチームを組んで教える場面が出てくる。他者の成長に立ち会うことができる喜びを体感できる。コミュニケーション能力の素地ができる。
リアルな世界との学びの連携
Web3.0の世界では、リアルとデジタルの行き来が簡単になり、それぞれに効果の高いものを選択していくことができるようになります。
ゲーム内ではなかなか人の表情や仕草から感情を読み取ることはできません。それをもってゲーム自体を批判する人もいますが、お互いの世界で強みがあるはずです。学びの効果が期待できるのであれば、相互に学びの世界を構築して必要な時に出入りすればよい程度のことだと思います。
とまれ、このマインクラフトというゲームには驚きばかりであるとともに、教育活動への可能性の高さを感じずにはいられません。もっと早く、触っておくべきでした。
Supportiaでは、専用サーバーで学習のためのワールドを構築して皆さんを待っています。本校舎に加え、2択クイズ会場、闘技場、鬼ごっこ会場などを用意しています。
遊んでいるようで学んでいる、Play to Learn を実現させるべく、これからも力を注いでいきます。
参加の説明会も実施していますのでぜひご参加ください!
それではまた!
